1998/10/12
2000/ 4/ 3
2000/ 9/ 8
「Auto CADの作業空間」で述べたように、Auto CAD の座標系はデフォルトで「右手」の座標系(デカルト座標)が採用されています。これをAuto CAD ではワールド座標と呼んでいます。
モニターにはワールド座標の中の任意の範囲を表示させる事ができます。
扱える座標値の制限は特にありません。マイナスの値でも問題なく負の領域に描いてくれます。
ワールド座標はAuto CAD にとって基本となる座標系で、後述のユーザー座標系に切り替えたとしても消える事はありません。
作図中に一時的に原点の位置を変えたいと思った事はありませんか?あるいは平面図や立面図など、それぞれに原点の位置を設定したい時もあります。こういう時はユーザー座標を使うと便利です。
コマンドで操作する場合は UCS というコマンドを使います。原点を変える場合はさらに O とタイプして、新しい原点を指定します。
原点を変えるだけではなく、XYZ いずれか一つの軸を基準にして座標系全体を回転させる事も出来ます。ユーザー座標を設定すると、UCSアイコンのWの文字が消えます。
ワールド座標に戻すには、もう一度UCSとタイプして、そのままリターンキーを押します。この時点でユーザー座標は消えてしまいます。
同じユーザー座標をあとでもう一度使う予定がある場合は、ユーザー座標に名前を付けて登録しておくと、いつでも呼び出せます。ユーザー座標を登録するには、メニューから「ツール」-「UCS」-「UCS管理」とたどってこのダイアログを表示させます。LT95をお使いの方は「表示」-「UCS設定」-「UCS管理」です。AutoCAD2000ではツール」-「UCS管理...」になっています。
これを見ると、現在使用中の(カレントの)ユーザー座標が*名前なし*という状態であることが分かります。
そこでそれをクリックして、下のテキストボックスに名前を入力します。そして「名前変更」をクリックし、「OK」ボタンを押します。これで登録完了です。
AutoCAD2000では*unnamed*をクリックしてじっと待つか、マウスの右クリックで名前変更を選びます。Windowsのファイルやフォルダ名の変更と同じですね。
AutoCAD2000ではダイアログのデザインがかなり変わりましたが、やるべき内容は旧バージョンを全く一緒ですのでここには掲載しません。
ワールド座標などに切り替えて作業してから、再びこのユーザー座標を使いたい時は、もう一度このダイアログを表示させ、リストボックスから名前を選んで「現在」ボタンを押します。AutoCAD2000では「現在に設定」ボタンです。
全く同じ機能のダイアログでありながら、バージョンが変わるたびにインターフェイスが変わるというのは、ソフトの完成度が低いためでしょうね。もっとも完成度を上げてしまってはAutoCADではなくなってしまいますからその点を非難するわけにはいきませんが、座標系の切り替えぐらいはもう少し詰めて考えて、ちょこちょことした手直しでなく、はっきりとした考えを示してもらいたいものです。
地形図など測量で用いられている座標系は測地座標と言って、北の方角がX軸、東がY軸になる「左手」の座標系です。
これをユーザー座標で作るには、「ツール」−「UCS」−「X軸回転」でワールド座標をX軸回りに180度回転させ、さらに同様に「Z軸回転」でZ軸回りに-90度回転させます。
こうして作った座標系は、画面の奥の方(あなたの前方、つまり地中方向)がZ軸のプラス方向になります。
測地座標は図のように、画面からあなたに向かう方向がZ軸のプラス方向です。Auto CADは右手の座標しか扱えないために逆になってしまいます。CADにとっては、裏から図面を見ていると解釈するようです。
これで問題になるのは文字や寸法を記入するときです。裏から見ているために、文字も裏返って表示されてしまいます。
文字スタイルに「上下を逆」と「前後を逆」というオプションがありますが、このどちらかにチェックを付けておくと、裏返った文字になるので、裏から見た場合に正しい表示になります。測地座標にもう一つスタイルを作るという方法ですが、個人的にはちょっと好きになれない方法です。
やはり、文字入力時にワールド座標に切り替えて、文字の記入が終わったら測地座標に戻すというやり方のほうがいいように感じます。もちろん、いちいち手作業で切り替えていたのでは大変ですから、専用のマクロボタンを作ったらどうでしょうか?
そこで、文字の入力時にワールド座標にし、入力後に元の座標系に戻すというマクロを考えましたので御紹介します。ダイナミックテキストの入力
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マルチテキストなら
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長さ寸法
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平行寸法
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直列寸法
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