1999/ 5/ 3


他のソフトに図面を貼り付ける

Auto CAD で描いた図形を他のソフトで作ったドキュメントに貼り付けるには、幾つかの工夫が必要です。
通常の切り張り同様に、まず「編集」メニューから「コピー」を選びますが、その前にやっておくことがあります。

私達ユーザーが使いたいのは図形だけなのですが、背景の色までコピーされます。
背景の色を白以外にしている人は、「ツール」-「基本設定」の「色」タブで、背景の色を白に変えて下さい。
また、線の色も、今見ている通りにコピーされます。黒以外の色は、モノクロのプリンタで出力すると、ハーフトーン(灰色)で印刷されます。
コピーする範囲を選択したはずなのに、実際にやってみると、余計な余白が付いてしまっている、という経験をされた方も多いと思います。
実はコピー範囲の選択は、Auto CAD では余り意味がありません。
現在見ているウィンドウの範囲が、そのままコピーされます。余計な余白を取り除くには、ウィンドウのサイズを小さくして、目的の図形だけが表示されるようにします。
既にお気づきのように、コピーされる図形の大きさも、今見えている通りです。ZOOMコマンドで適当な大きさに表示を変えて、Auto CADのウィンドウも縮小してやります。情けなくなりますが、仕方ありません。

ここでようやく「編集」メニューから「コピー」です。
では、具体的にMS-Officeのドキュメントに貼り付ける場合。
「編集」メニューから「貼り付け」を選んだ場合。
この時はAuto CADで作られたオブジェクトとして貼り付けられます。
オブジェクトをダブルクリックすると、Auto CADが起動して編集が可能になります。Auto CADを持っていない人に、この書類を渡すと、起動できなくなります。
「編集」メニューに「形式を選択して貼り付け」というのがあります。
これを選んだ場合、次の3つの中から形式を選ぶことができます。

Auto CAD図面は「編集」メニューから「貼り付け」を選んだ場合と同じです。
ウィンドウズメタファイル形式というのは、ベクトル情報を持った形式で、これに対応したソフトなら、後で図形として編集ができます。当然MS-Officeで使えます。やり方は後述。
ビットマップ形式は図形ではなくなります。写真や絵などのイメージと同じ扱いになります。(ラスターデータとも言います)

さて、ドキュメントに貼り付けたところで印刷してみましょう。
Auto CADの図形はひょろひょろの極細線になってしまいます。
Auto CADでは線の太さは、プリンタやプロッタの設定で行うことになっているので、個々の線には太さの情報がありません。そのため、これを他のソフトから出力しようとした場合、そのプリンタが出力できる最小の太さで出力されてしまいます。
これを見られる程度にするには、プリンタの解像度を低くする(細かい印刷ができないようにする)方法があります。
MS-Excelでは「ファイル」メニューのページ設定でできます。
Auto CAD以外のWindows対応の多くのCADでは、個々の線に太さの情報があるので、このようなことはありません。
上記の方法では、全体に太くすることはできますが、メリハリの利いた図にはなりません。
Auto CADで再編集する予定がないなら、MS-Officeの図形に変換してしまえば、図形ツールを使って編集が可能になります。
これには、貼り付けの際、ウィンドウズメタファイル形式にしておきます。
MS-Officeの図形ツールから、「図形の調整」-「グループ解除」を選びます。これでMS-Officeの図形に変換されます。
文字も図形になります。シェイプ図形が使われているBigfontで書いた文字など、見事にバラバラになります。


(C) Yoshiyuki Inaba 1999

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